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Jin's Diary&Essey

  #905
Mozartの凄さ
Date: 2017/03/06(Mon) 
 7月のコンサートでMozartのRequiemをやるのでその稽古で四国は高松に行って来た。香川二期会合唱団はベテランぞろいの50人で音は取り終わっている、リズムやラテン語も現地の指揮者藍川氏の適切な指導のお蔭あってほぼ完璧に準備が終っている。土曜夜の2時間、日曜の昼間4時間の稽古もスムーズに運び時間が余るほどの余裕で有り難い。その中で一つだけこちらの意図通りにならない難関が有る。それは何か ? 何だと思いますか・・・?

 Mozartのモーツァルトたる肝心の特徴、それは全てに於いて「コントラスト」が明確に存在している事。

 月と太陽と星々、春夏秋冬の季節感、男と女、大人と子ども、天使と悪魔・・・あらゆる場面に存在し対照する自然の営みが彼の音楽ほど如実に表現されているものは無い。彼の生誕の地を何度も訪れ、伝記や人物論などの多くを繙き、ベートーヴェンよりもバッハよりも…他のどの作曲家よりも沢山の作品に触れ演奏して来た僕としては「愛好する割には掘り下げの不十分な」日本に於けるMozart演奏の軽々しさに切歯扼腕している所なのである。

  日本の評論家の著書の多くは やたらに " 大作曲家 〃 " と褒めそやす事ばかりが多く、正直言って人物を知る手がかりとするにはまことに物足りないものが有る !

 「コントラスト」の奥底を探るためつい先だっても若い音楽家達とMozartのオペラを鑑賞・分析した所なのだが、このVTRを香川の人達にも観てもらいたいと思う願い頻りだった。その映像とはスザンナがフレーニ/フィガロがプライ/伯爵がディースカウ/同夫人がキリ・テ・カナワ/指揮はベーム ! ! という目の眩むような役どころ、こせこせとした演出など顔を出す事無く真っ正面からMozartの音楽と向かい合って真に自然に「均衡と対比」を具現した2度と遭遇する事などない名舞台。日頃からこういう名演奏に浸る事無しには僕がここで述べている「コントラスト」の何たるかは理解し得ないのだ。

 全国の合唱音楽を愛好する人達へ告ぐ ! ・・・平素から室内楽、シンフォニー、オペラなどに接していないでRequiemを演奏しようとしてもなかなかその本質を理解する事は無理なのですよ ! 嗚呼