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Jin's Diary&Essey

  #900
教育音楽学会誕生秘話
Date: 2017/02/19(Sun) 
 国立音大で教えていた頃、恩師岡本敏明教授の信条を踏襲し" 演奏行脚 "と銘打って全国津々浦々を声楽専攻の学生で編成されていた「くにたちカンマーコール(室内合唱団)」と一緒に何百ステージも歌い歩いた。

 2006年6月のこと、当時のメンバー有志が「古稀の祝い」をやってくれると云う。還暦の頃から「後ろを振り返る事無く前だけを見て真っすぐに…」と決意していたものだから固辞したのだが「是非集まりたい」という熱心な誘いに乗ってしまい新宿のホテルでそのパーティーは開かれた。美味しいものを沢山頂き、尽きる事無く昔話をするうちに部屋に在ったピアノの前に誰かが座り昔歌った懐かしい数々をハモリ出した。僕も調子に乗ってビアノを使って子ども達に教えた輪唱や合唱団のトレーニングでやった和音感などをやってワイワイと愉しい音の渦がひとしきり盛り上がった。

 そうするうち、ひとりがこんな事を言い出した「われわれも卒業してひと時代 ( 30年 ) が過ぎてあの頃夢中でやっていたことが愉しいだけでなくその裏側にこめられた価値観と云うものが分かるようになって来た。それをさらに追求してもっともっと高い所に登りたい・・いまや登る事が可能だ、もう一度勉強したい ! 」みんなが「そうだ ! そうだ ! ! 」

 ガーン…と衝撃が僕を打った。彼等の熱意に応えられる事を何か始めなくては・・・
早速何人かのリーダーと熟慮を重ね、定期的な「勉強会」を始めることになった。さて、名称は ? ?

 リーダーの高牧 康君が「学会を作りましょう !」 という。「学会は大袈裟じゃぁ無いか ? と岡本」「大袈裟ではありません色々な事を研究調査するグループで " 学会 " を称するグループが沢山あります・・」結局彼の勧めに従う事にして「・・学会」を名乗る事とした。「・・」をどうするか。

 これについては岡本が提案、「音楽を理解するもっとも本質的な事柄にキチッと限る事にしよう」「それは何ですか ? 」「鋭い聴覚・複数の旋律を同時に辿る事のできるちから・愉しく、易しく、そして正しく、伝える力を備えた指導力」こうして3本の柱を「音感」「ポリフォニー」「指揮 ( 指導 ) 法」と定めエッセンシャルな研究をテーマとし敢えて「教育音楽学会」と標榜する事にしたのである。

 かくて年2回のワークショップを19回重ねて10年目、きたる3月26日には記念の行事が行われる事となった。

 ( このダイアリーの #567 および #899参照 )