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Jin's Diary&Essey

  #884
スローフードのように
Date: 2016/11/12(Sat) 
 fastfood 全盛 ! かでもあるような世情を苦々しく思う年寄りの毎日。

 食べ物自体を悪く思う…のではなく、それにばかり食が偏っている事が厭だし心配だ。脂っこい、甘ったるい…原材料の出所が怪しい、食卓で和気藹々と食事するというよりも外で一人きりで ( あろう事か家族揃って迄 ) せかせかと口に抛り込む…まるで「餌を食う動物」さながらである。かく申す僕にしても海外に行って街を歩きながら空腹に堪えられずバーガーを頬張ったり、オペラが終って深夜に屋台の暖かいソーセージを食いながらホテルに向かう…などということが無い事は無いけれども・・・。

 しかし、ひとつの街に比較的長く滞在するような時は土地っ子の集まる「郷土料理」のような所を見つけて普段彼等が食べているような、素朴だけれども味わい深いスープだの煮込み料理を時間かけて楽しく頂くのである。コロンボが映画の中で食べている「チリ」やロンドンっ子が家でもよく食べると云う内臓料理 ( ! ) を教えてもらって怖々口に入れ思いのほか美味で「イギリス人はいつも」ローストビーフばかり食している…という誤った考えも修正される。  

 とここまではいつもの前置き。

 「こころのごはん」である筈の音楽も、四六時中ファストフードばかりで「腹が膨れればそれで良い」としか考えない人がかなりのパーセンテージ存在する事が心配。一生の間屋台やそこら辺の簡単な餌同然の物で腹を満たしていては「偉大な先哲の遺してくれた文学や絵画同様」こころを満たすシンフォニーやオペラや室内楽をしっかりと取り込み咀嚼することで「人間の智慧と歴史と文化」に育まれて " 貴重な人生を重ねる " ということにはほど遠い。まずは学校教育が考えを改め、メディアとジャーナリストもスローフードに相当するちゃんとした音楽を勉強しなければ・・・。

 だからと言って「いい音楽」とはローストビーフやステーキだけがそうなんだ ! と決め込むのも困りもの.オーケストラの定期演奏会は同業者が聞いても肩が凝る ( 腹にもたれる ) 。オペラも深刻な内容ばかりを取り上げ過ぎる.コステラネッツやフィードラーがやったような「オーケストラへのいざない」というような企画は皆無、オペラの人達もオペレッタの傑作を一流と云われる歌手たちによって楽しく且つ格調高く上演しつつファンを増やす努力というものが全くと言って良いほど足りない。

 音楽家生活60余年、この事ばかりを考えて励んで来たつもりだが、一向に世の中は変わる気配を見せない。嗚呼 ! !