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Jin's Diary&Essey

  #838
或る本の目次
Date: 2015/10/24(Sat) 
 男声合唱ばかり百数10曲が収められているドイツの曲集が手元に在る。学生や市民がいつも備えていて数人集まれば心寄せ合って歌い合わせる時の為だろう、しっかりした装幀でいかにも長持ちしそうだ。

 内容はといえば、先ず民謡、次にツェルター、マルシュナー、ライネッケなど、例のドイツ合唱運動で盛んに歌われた簡易で親しみ在る愛唱曲が多い、しかしここで留まってしまえば皆川先生仰る「しろうと衆のお手軽遊び…」なのだが、その中に混じって優れたオリジナル曲を見いだすことができる。目立つ物を少しだけ選び出してみると、イザークの「インスブルック」に始まってハッスラー、プレトリウス、テレマン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ウェーバー、メンデルスゾーン、シューマン、グルック、シラー、ワーグナー、ブルックナー、ブラームス、ムソルグスキー etc. 数えると中身の1割以上に及ぶ。名前が知られているからと言って全ての作品がが傑作とは限らないが少なくともここに載せられている物は優れた物ばかりと言って良い。

 日本の男声合唱 ( ホントは全ての合唱運動 ) に欠けている面がこの辺りに有る。「希望の島」や「いざ起て戦人よ」が愚作だとは決して言わないが ( 僕もこの40数年の間何度も演奏している ) 、「もっともっと優れた作品」が世の中には在る、ということをまず指導者が認識しなければならない。「合唱指揮者」とか「合唱指揮者協会会員」などという日本独特の肩書きに安住して、陳腐な音楽に埋もれていてはならないのだ。(#564/#774 参照)

 日本の合唱指導者は同業の「器楽演奏家」「オペラ歌手」「作曲家」などと同じ ( 本当はその何倍も ) 本場の文献を漁り、研究を深めて1日も早く日本の合唱界を水準迄引き上げるようにする事が急務だ。( 勿論優れた指導者も全国各地に大勢存在するけれど、まだまだ足りない ) 。

 B級グルメばかりが話題になるような風潮は決して良い事ではない。「音楽はこころのごはん」ということをしっかりと認識した上で精選した佳曲を歌うようにしなければ、かけがえの無い人生がムダになる。