[トップ] [検索] [管理用]
Jin's Diary&Essey

  #823
「謙遜は・・・
Date: 2015/07/29(Wed) 
 ・・・最大の自慢」だ、というのが口癖だった同僚が居る。最初この言葉を聞いた時「なんだか " まやかし " の発言」のように聞こえて賛意を表する事は憚られた。日本人として「謙遜こそ美徳」のような環境で育っていたから。

 しかし、この考えはヨーロッパに勉強に行くようになって根底からひっくり返されてしまった。

イギリスでイタリアでさらにスイスで指揮者に教えを乞うている時必ず指摘された事は、お前はオーケストラに何か注文を出す時「恐縮だが…とか これは私一人の考えかもしれないが…」と云う発言をすることがある。もっと自信を持ってはっきりと指示を与えなければ相手は " やる気 " を失ってしまう。

 びっくりした。しかしよく考えてみると自分が指導を受けるときに指導者が「恐縮だが…とか これは私一人の考えかもしれないが…」と言ったとするとなんだか心から従う気持になれない,事にも気づいた。親が子に、教師が教え子に「恐縮だが…とか これは私一人の考えかもしれないが…」と云えば決して意思は伝わらず単に願望を伝えるような印象でしかない。時と場合は限られるが,キチッとした「指示・指摘・訓育」あってこそ相手が成長する、ということにも気づいた。

 そんな私に対して「些細な事を断定的に言う…」と言う人が居ないことも無い。けれども「指揮者」という天職を選び、邁進しているからには「恐縮だが…とか これは私一人の考えかもしれないが…」と云う発言は極力引っ込めなくてはならない事を覚悟しなければならない。日本人の美徳 とばかりに謙遜の度を超して海外で評価され難い、と云う話を屡々聞く。

 かと言ってTPOで使い分けする事も節度が無い。「謙遜こそ美徳」は誤りなのであろうか ? 貴方の意見が伺いたい。