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Jin's Diary&Essey

  #817
外開き、内開き
Date: 2015/07/14(Tue) 
 玄関の扉の話。
 昔はガラガラッと横に開いたから家の人間は一歩外に出て訪問者と同じ高さで応対出来た。今は開き戸が外に開くので多くの人間は片足を家の中に置いたままパッとドアを開き片手はドアを支えて目一杯伸ばし、時にはスリッパのまま、時には片足だけサンダルをつっかけてまことに妙な姿勢で訪問者と対面する事になる。

 長い間、僕はこの事に悩んでいる。
どうして、内側に開くように作らないのか、訪問者を迎える姿勢が乱雑になって整わない。失礼にも当たる。イギリスではどの家も内側に開いてそこに家の人間が立っていてにこやかに迎え入れてくれた。最初のうちは慣れないものだからウンウン言いながら一生懸命に外側に引っ張って開かないので悩んでいると、やがてスッと内側に開いてくれて迎え入れられる、和やかだし安全でもある。Good !

 日本で建築家にその話をすると「ごくたまに内側開きのドアを要請されるけれども殆どの場合は内側に開くと靴箱に当たってしまったり、家の者が立って挨拶するゆとりすらない・・・」なんのことはない「狭小」が大きな理由だった。それならば昔のとおりガラガラと横に開けるようにすればいいものを余り深く考える事も無くカッコ付けてドアなんかにするものだから大切な「礼儀」をおろそかにして妙な入り口となる。

 西洋の文化・文明を貪欲に取り込んで成り立って来た我が祖国であるが、本質の内奥を深く考える事無く「見た目」だけに心奪われて " へんてこりん " な格好になっている物や事柄が少なからずある。金さえあれば、土地にゆとりさえあればイギリスのような礼儀にも叶ってそして相手を見定めて内側に開いて迎えようとする安全確実な玄関が出現するのだろう。僕はこの先新築などする予定は無いけれども、もし作るのだったら玄関は内側に開く、もしくは子どもの頃そうだったようにガラガラと開くように作りたいと思う。

 オリンピック競技場をめぐってのゴタゴタを観ているうちに変なほうに連想が行ってしまった。