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Jin's Diary&Essey

  #803
あしたのワークショップ
Date: 2015/03/20(Fri) 
 3月21日午前10時から「教育音楽学会」16回目のワークショップが西東京市の武蔵野大学で行われる。

 平成19(2007)年、恩師・岡本敏明教授の生誕100年(没後30年)を期に発足したこの学会は、師の偉大な教え「音楽を楽しく且つ正しく教えよ」を受け継いで長くこの世に伝えようと願って来た小生と何人かの後輩によって設立され年2回のワークショップを通して深く掘り下げ、実践して来た。

 音楽を学ぶ時、先ず必要とされる「聴覚を磨く訓練(音感)」そして複旋律を聞き取る能力の育成のとっかかりとして「カノンから始めてフーガ」の体験を数多く積み重ねる事を大きな柱として学んで来た。また、参加者が体得した事を直ちに他に対して敷衍し指導するための指導法(学会では指揮法と標榜)これらを3本柱として追求している。

 そもそも「音楽教育」と言わないで「教育音楽」という名称には多くの人達から疑問を呈せられるのだが、これには確固とした信念が小生にあって明治の西洋文化伝来以来、ピアノだ声楽だ作曲だ…と音楽の表面に現れた華やかな姿にのみ心を奪われ、最も基本であるべき [ 聴覚訓練 ] の掘り下げが不十分である日本の教育のあり方に一本の太い筋を設定しなければという考えがここには在る。

 第2次大戦中から「絶対音感」と称して「音当てごっこ」のような偏った考えに基づく方法は今でも存在するが、戦中に「敵機を判別するための聴力」などと軍の庇護を取り付けて国民に強制的に実施し、賛同とは逆の不審感を多くの音楽教育者に与えた後遺症がいまでも厳然と存在していて"音感アレルギー"の人物の存在するのも確かである。

 ひと頃話題を呼んだ「ピュイゼ ( Jaques Puise )」 というワイン醸造学者でフランス味覚研究所の創設者が居る。
子どもたちを取りまく食生活の乱れに危機感を抱き1974年トゥール大学の学生と小学校の教師たちと共同で、子どもたちを対象にした「味覚を目覚めさせる授業」を考案、試行錯誤を続けているらしい。

 教育音楽学会も同様に「我々日本人を取りまく音楽の乱れに危機感を抱き「聴覚を目覚めさせる授業」を中心として従来の偏った音楽教育の現状から脱したい・・・と、ささやかながらしかし遠大な理想を掲げて前進している事をここに述べておく。

 ワークショップの見学は可能、いちど覗いてみる事をお薦めします。