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Jin's Diary&Essey

  #777
色々なタイプ
Date: 2014/11/08(Sat) 
音大の教師時代、暮れになると学生をN響の第九に出演させるための下稽古をする役目があった。教師になる前の卒業直後、群馬のオーケストラで3年間のアシスタント修業をしたつもりだったのでこの役割は有り難くなかった。しかし勤務上仕方なくやっていた。

とは言うものの若干の利点もあった。それはヨーロッパ(主にドイツ・オーストリー)から招かれた高名な指揮者が Beethovenをどのように解釈しオーケストラやコーラスにどのような指示や要求をするか間近で観察する事だった。

  (文中のページ数等はブライトコップフ&ヘルテル版による)

たとえば第1楽章P4,8小節のリズムの扱い、P24の木管のニュアンス、P30,6小節から2ndヴァイオリンが大切なのに聞こえにくいことの解決方法、p39からの木・金管・ティンパニをスコアのままffにして置くか否か、P102,9小節からの速さをどう扱うか…などなどから始まり、とくに第4楽章冒頭のファンファーレの金管の扱い、さらにP255,7小節のコーラス、アルトのC#と木管楽器群のCナチュラルの問題などなど、僕自身も各地でこの曲をたびたび演奏していたから彼等と僕のスコアの解釈の違いを視てみたかった。

戦前から「第九」を何百回も演奏して来ているN響のこと、パート譜が真っ黒になるほど色々な指揮者の指示が書き込まれているからいまさら新しい書き込みの必要は無く沢山のエンピツ書きのどれを今回は採用するか、程度の事なのだろうが僕にとってみれば名のある指揮者の指示がおおいに期待された。

ホールの大きさ、ステージの音響効果、オーケストラの力量次第で指揮者の考えもその都度変わるだろうし、リハーサルの回数によっても何処迄細かく手を入れるかが異なって当然。

 多くの合唱の指揮者に当時の様子を見せて上げたかったと今思っている。
 合唱の世界は少々暢気なご仁が少なくないと思うので…