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Jin's Diary&Essey

  #756
楽譜出版社さんへ
Date: 2014/09/05(Fri) 
 良い本だから売れる ? 売れるから良い本 ? 楽譜に限らず全ての出版社そして読者にとっても悩ましい問題。

      ユーチューブを見ていると色々と珍しい曲の演奏風景がある ( 良く見つけて来たなあ ! ) 。

 そしてそれらには必ずと言っていい程「この楽譜はどうしたら手に入れることができますか ? 」という書き込みが有る。

日本の楽譜出版社はどこも経営に苦労していて少しでも売れると思えば同種の曲あるいは同じ作曲家に次から次と新作を発注して大急ぎで書かせて出版して売りまくり、遂に他社と競合しつぶし合う・・・一方書きまくった若い作曲家も早々と自滅する。
そのあたりは「絵」の世界の「がめつさ一杯の画商と若い画家の関係」に似ているような気もする。求められるままに書きなぐり直に飽きられて捨てられたり本人自身が滅びてしまった例は枚挙に暇が無い。ほんの一握りの目の利くホンモノの画商だけが若く名も無い画家の将来を見抜いて育てる例などは稀の稀の・・・。

合唱コンクールで課題曲(選択曲)に選ばれ、または自由曲として歌ったグループが入賞してその作曲家の名が売れるとワッと群がって数年の間同じ作曲家同じ曲が国中で歌われ出版も盛んに行われるけれども長続きはしない。ほんの一握りの作曲家が生き残って決して多作ではないけれど良い音楽を世に送り出す仕事をこつこつとしている例が無いことも無いがそれとてもやがて絶版となって内緒でコピーでも手に入れない限りは歌い継いで行くことが出来なくなってしまう。

( ここでヨーロッパの例を挙げるのはとても寂しく情けないことなのだが ) 彼の国ではどんなに古い時代のものでも「歯を食いしばって ! ? 」出版し続けている小さな会社が有り、一方ベーレンライターのような伝統的会社には夫々のカテゴリーにエキスパートがいてたゆまぬ研究と全集の編纂にあたり会社も ( たいして儲かるわけでもないだろうに ) 全世界に向けてPRを怠り無く行い研究者や善良な音楽愛好者の求めに精一杯応じている。「歴史と伝統」と言ってしまえばそれだけだが、美術・文学などと同様、人間の「心の滋養」として「目に見えない.手で触れることの出来ない」大切なものを保とうとする尊い所業を羨ましく思う。

一足飛びの結句となって恐縮だが、
敗戦以降「信仰」を疎かにして来たツケが来ているように思え、当分の間「取り返しのつかない」精神土壌の中で「学歴と年収」だけを話題に右往左往する民族になり下がったようで言葉も無い。