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Jin's Diary&Essey

  #730
カンペ
Date: 2014/02/20(Thu) 
いまはもう「カンニングペーパー」と断る必要も無いくらい誰でも知っている。
そもそも出演者に対し「あと10秒…」というくらいの指示だったと聞く。
それがだんだん細かい指示になり遂に最近では「番組のタイトル」迄横目でチラチラ見ながら言う奴迄現れて呆れている。

向き合って話している時カメラは僕のほうを向いている。その僕の頭の後ろあたりにインタビューアの視線がチラチラと動き僕から目を逸らすことが度々ある。発言する僕は相手の顔をじっと見て話そうとするのだがディレクターは「なるべくカメラを見て話して下さい…」などと云う。カメラと話したくはない、話しかけてくれている相手と話したいと思うのに。

ニュース番組を見ていてアナウンサーの視線が微妙にずれていることに誰でも気づいているだろう。机の上の原稿をレンズの直ぐ脇に投影する仕掛けがあってさもこちらに話しかけているふりをしているけれども実際はレンズの直ぐ脇に映っている原稿用紙を読んでいる。覚え切れない長さや内容ならば机の上の原稿を読めば良いのに暗記して話しているように振る舞おうとするのはどういう必然性からなのであろうか。

出演している本人こそが大切でありカメラはその様子を映せばいい、それがいつの間にか「映す方の都合」が先に立って肝心の人間がカメラをフォローするようになるから珍妙な光景を生ずる。舞台に例えて言うとステージの人物を追いかけて光の輪の中に収めようとするのがスポットライトの役割であって、固定された光の中に人間が気を使って真ん中に入ろうとしていたら芝居は成立しないのと同じで、カメラは常に細かく人間をフォローすべきで、それをドンと固定しておいてその周りを人間が気を使ってウロウロするのは本末転倒。

だいたい、しつこいくらい打合せが好きなTV業界なのだからその間に出演者は段取りを飲み込んで振る舞い、あとの照明やカメラは「道具」の役割をキッチリと果たすべく配置し機能するべきなのだと思う。

さあて、そのように考えながらテレビの画面を見てご覧なさい、主客転倒してカメラの奴隷のようになっている人間を沢山発見出来るに違いない。へんてこりんなメディアですね!