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Jin's Diary&Essey

  #697
太田宏介さんの個展
Date: 2013/06/08(Sat) 
銀座の画廊に行って来た。

福岡在住の若い画家だが幼少の頃自閉症と診断されたらしい。ご家族が温かく見守り育くみ,良い先生にも巡り会って独特の絵を描くようになったと聞く。彼のお母さんが福岡で優秀なコーラスで活躍して居られそのご縁でご子息の宏介さんの事を知った訳だけれども始めの頃から何故か気になる絵描きさんだと感じていた。

ご本人が未だ少年の頃博多の画廊で初めて観た瞬間に「これは凄い絵だ!」と直感した。
微塵の迷いも無い伸び伸びとした太い線,限りなく明るい色彩,こちらの心があらゆる束縛から解放されて広い自由な空間に抛り出されたような心持ちだった。

今回ひさしぶりに青年になった彼の絵の前に立つと以前より数段発展した世界が其処に展開されていた。キャンバス一杯に描かれた動物が多かった。その動物が我々と同じように心を持っていて笑いかけたり語りかけたりしているようで何だかドキドキした。特に気に入った「お猿さん」の絵の前で写真を撮って頂いた。

  「空間を截り取ってキャンバスに・・・」などと云われる事がある。

彼の絵は「截り取って」どころではなくて「空間そのもの全体が」線と色とで表されている。
画廊の真ん中に設えられた椅子に座って繪に囲まれているうちに妙な考えにとらわれた。

  「彼の絵に額縁は要らないのではないか? 額縁さえ無ければここにある空間にスッと溶けてしまうのではないか?」

途方も無い素人考えである事はむろん承知していたけれどもこんな考えをお母さんに口走っておいとましたのだった。