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Jin's Diary&Essey

  #676
鬼コーチ
Date: 2013/01/30(Wed) 
スポーツの世界で「暴力」を振るって選手をしごき上げる「勝利至上主義」が色々問題になっている。
学校に子どもを人質にとられているような考え方が親の側になきにしもあらず、そのことが問題を更に複雑にしている。

「心と体を鍛えて立派な…」人間になる事を願う、なんて生易しい事では県下一、日本一になることができない…とエスカレートして行き、鬼コーチがいつの間にか学校や地域全体に迄認められるような雰囲気が生まれ永年同一校に居座り2,3年で転勤する校長が常識を持ち込む隙間もあらばこそ優勝が勲章のように持て囃され、マスメディアもあまり物事を深く考えないで喧伝する。
スポーツの世界はかまびすしく伝えられている最中なので遠からず一つの考え方が導きだされる事だろう。

翻って「音楽コンクール」の世界に「しごき」は無いのか ?
今迄は僕の知る限りスポーツのような酷い指導は無いものと思っていた。

ところが先日、あるテレビ番組で吹奏楽コンクール入賞常連校の練習風景を見せられて暗澹たる気持になった。上級生が下級生をしごく様子や指導教師の聞くに堪えない「罵詈雑言」はスポーツの " それ " と全く変わる事なく「暴力」こそ振るう場面は見なかったもののこれでは音楽が嫌いになってしまうだろうと思われた。それをデカデカと報道する側にも反省をしてもらいたい。

現に近隣の入賞常連の中学から入って来た生徒に高校の先生が入部を進めると「勘弁して下さい ! もう懲り懲りですから…」と固辞する生徒が続出した話は屡々耳にする所を見ると「行き過ぎた特訓」がここにも存在している事が分かる。

プロの世界に「しごき」はないのか ? と問われる事がある。昔は指揮棒を折って投げつけたり椅子を蹴り倒して帰ってしまう指揮者の話は聞いたことがある。主として亡命して来た外国人でもろもろの鬱憤を晴らしていたのだろうと思う。
最近はあまりひどい「いじめ」の話は聞かないがそれでも「スケープゴート(いけにえ)」を毎回オーケストラの中に拵え徹底的に虐め抜いて他のメンバーを震え上がらせて全体を纏めようとする「鬼のようなコンダクター」として名を馳せた人が居たという。

近頃は外国から優れた音楽家が大勢来るようになりその多くが立派な芸術家である事を知り、或は若い時に留学して音楽が人間一生の修錬である事を学んで帰った人が多くなって「激しくぶつかり合う」のは音楽表現の情熱なのであって、決して「優勝するためのしごき」など何処にも存在する余地などない。