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Jin's Diary&Essey

  #675
1988年ブラジルで・・・
Date: 2013/01/21(Mon) 
1988年1月から2月にかけてブラジルを訪ねる機会があった。
大晦日の「駅コン」でシティフィルとの「第九」を済ませたあと直ぐに成田に向かい、元日発LA&リオ経由でサンパウロ迄20数時間の飛行機は楽ではなかった。しかも到着するといきなり30数℃の気温 ! 空港で半ズボン・Tシャツに着替えて外に出たものだ。

移民80年の関連事業で、政府と社会事業財団からの派遣だったのでスケジュールの半分は現地邦人のための講演・懇談・指導等を各地で行うため長距離を車で移動した、毎日ではなかったので空いた日は極力自分の見聞をすることにした。

着いて一週間、色々な仕事を済ませ週末が休みになったのでブラジリアとイグアスに行った。イグアスは滝の直ぐ近くのホテルだった。一晩中激しい滝の音でまんじりとも出来なかった。

翌朝早く朝飯の前にホテル裏の小径を歩いて滝に向かった。30分も草むらを歩いた頃前方からギュッギュッというようなそれ迄聞いた事の無い異様な音が近づいて来た。立ち止まって見回していると猫ぐらいの大きさのそれ迄見た事も無い薄目の面長で茶色の動物が細い道をこっちに向かって数10匹も歩いてくる。足が竦んでしまっている僕の臑をこするようにしながらぞろぞろとすれ違って行ったときの戦慄感は今もハッキリと思い起こすことができる。正直言ってこの小動物の大群に食い殺されてしまうのか、と一瞬思ったくらいのショックだった。猫のような犬のようなウサギのような…とにかく見た事の無い生き物だったのでとても恐かった。

滝の見物も上の空だった。帰り道同じ小径をこわごわと戻りかけると外国人の二人連れに逢った。
  「変な動物の大群に逢わなかったかい?」と訊ねると
  「あそこのゴミ捨て場に群がって何か食べているよ」という。
恐る恐る遠くから眺めるとたしかにさっきすれ違った動物の群れが食い漁っている所だった。さっきより少しだけ観察する余裕があったけれども、やはり見た事の無い気持悪い連中だった。

何年かしてその動物がカピバラと云う奴だった事を知ったが、いまだに馴染めなくている、というよりも嫌悪感がある。
生意気に温泉に浸かって目を閉じている姿などを見ると一日も早く日本から追い出してやりたい気持が沸き上がってくる。