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Jin's Diary&Essey

  #671
きっかけ(結び)
Date: 2012/12/17(Mon) 
音楽家「ごっこ」の一生を送るわけにはいかないと思い始めたのはこの頃だった。
  地に足着いた音楽家人生…に焦点が絞られて来た。
  真面目に音楽を愛好する市民と、その要求にキチッと応えられる職業音楽家と・・・

当時、僕の身の回りをグルーッと眺め渡してみると、一握りの「進歩的文化人…」と目される「クラシック音楽エリート」がヨーロッパの大きな財産である「音楽芸術」を独り占めにしているように見えた。
知ったかぶり、と言ったらあまりにも失礼だとは思うが、オーケストラのコンサートなどに行くと「裏話」に詳しくて蘊蓄を披露する人がロビーを闊歩するようなあまり感じの良くない雰囲気が真の愛好者の出現や増加を阻んでいるような所が目について困った(評論家を標榜する人も少なくなかった)。

ウィーンのオペラハウスやロンドンのフェスティバルホールを埋め尽くす一般市民が極々自然にシンフォニーに耳を傾けコンチェルトのソリストに視線を送るような眼差しとは異なった「高級芸術鑑賞修行中」…のような日本のクラシックコンサートは不自然そのものである、と悩みの種となった。

文学を繙く、芝居を観る、古都を訪れて神社仏閣にしばし心を預ける、というような自然な芸術享受の姿勢でバッハやベートーヴェンに耳を傾ける、そんな音楽との付き合い方を率先してガイドしたい、そうでなければこの国はいつまでも音楽のつまみ食い、或はおやつのような娯楽音楽(イージーリスニング)で留まってしまうと云う不吉な思いに囚われて行ったのだった。

以来、市民の文化芸術活動の支え手、言ってみれば<(心の)ツアーコンダクター> ! ? としての毎日が始まったと言って良い。
  コンサート for ファミリー協会の設立と例会の開催
  レクリエーション協会スタッフとして音楽講座の展開
  市民コーラスやオーケストラの育成は何よりも優先して
  講演や執筆を積極的に行う etc.etc...
  
勿論、指揮者としてのステージは可能な限り数多く行った、そしてそれと同じ位、否それ以上の時間とエネルギーを投入して
「音楽愛好者のためのソフトの面での環境づくり」にうち込んだ40年余りだった。だれかが引き継いでくれてあと100年もこの行動を続けて行ったらすこしはこの国の状況が変わるかも知れないと本気で思っている。

  音楽はこころのご飯。なのだから良いものを正しく選んで程よく摂取して行けばきっと良いことが起こる、と信じている。